その1 英語以外のディズニーサントラについて


ディズニー映画はアニメも実写も、アメリカ人がアメリカで作っていますから、当然最初は英語で作られます。しかしディズニー映画を観るのは世界中の人です。日本人も含めて、英語圏じゃない国に住んでいる人も観ます。ですから、英語のままで字幕をかけるか、吹き替えを行う必要があるんですね。よく字幕をするのは日本だけだ、なんて話を聞きますが、どうもフランスとか、他の国々でも字幕はやってるみたいです。


いやしかし、どうも私は字幕が嫌いです。「原作の雰囲気を尊重する」なんていう意見もありますが、そんな「通」な事を言いたかったら英語を勉強すべきです。どう考えても字幕を読みながらスクリーンの細部を観ていく、という観かたには無理があると思うのです。慣れれば大丈夫というレベルではなく、本質的に。日本人は浪花節の影響で、ストーリーを追う事に集中しちゃうんでしょうかねえ。少なくとも英語が分からないなら、吹き替えを観た方がいいなあ、と個人的に思ったりします。


話がそれました。ディズニー映画は子供も観ます。子供に字幕は辛いです。英語圏以外の国の子供がディズニー映画を楽しむためには、吹き替えが使われます。ディズニー映画では審査が厳しいのか、異様なまでに原作のイメージを残した声優を起用してきます。原作の雰囲気を十分に残した、ローカルな演出です。試しにディズニーの2カ国語版のビデオで、両方の音声を出してみてください。キャスティング担当の、涙の努力が感じ取れます。


しかしディズニー映画の吹き替えには、他の映画の吹き替えにはなかった重大な問題があります。それは、随所に散りばめられたミュージカルシーンの数々です。まさかミュージカルシーンだけ字幕にする訳にはいきませんから、各国で各国語版の曲をレコーディングする必要があるんですね。世界的に見れば、一つの曲に英語の歌詞、フランス語の歌詞、スウェーデン語の歌詞、ドイツ語の歌詞、中国語の歌詞、韓国語の歌詞、そして日本語の歌詞などがある訳です。実は『アラジン』のLD-BOXには、魔人ジーニーが歌う名曲「Friend Like Me」が次々と各国語版に切り替わるオマケ映像が入っています。14ヶ国次々に変わっていくのは圧巻です。なぜか日本語の所ではホッとしてしまいますな。


そして各国では、「せっかくレコーディングしたんだからサントラCDも出しちまえ」ってな事で、それぞれの国のバージョンのサントラを販売しているのです。もちろん日本語版もありますし、見かけた人も多いと思います。ですから各国には英語版と、その国の言語版の2種類が売られている訳です。


その各国語版のCDが、実に楽しいのです。ドイツ語の『アラジン』のジャスミン姫はどう聞いてもおばさん声ですし、スペイン語の『ライオン・キング』はオープニングがなんとなく軽い感じです(予断ですが、『ライオン・キング』のオープニングを歌っている歌手は、女性です。実物を見て死ぬほど驚きました)。フランス語の『美女と野獣』は「これぞ本物!」なんて思っちゃいますし、カスティリャ語の『ポカホンタス』は、「おお!なんだかさっぱり分からないけどそっくりだ!」なんて思っちゃいます。


もちろん日本で英語と日本語以外の言語のサントラを手に入れようとすると、かなり大変です。輸入CDを扱っているお店をあしげく回って、少しづつ探していくしかありません。大変だけに、手に入れた時は感激ものです。また、中国語版の歌であれば(北京語の方です。ディズニーの中国語サントラは、北京語版と広東語版があります)、ディズニー・チャイニーズ・セレブレーションというCDが日本で出ています。いろいろなディズニー音楽の中国語版がメドレー形式で入っています(初回限定で、チャイナ服ミッキーのポチ袋がついているバージョンがあるぞ!)。


ディズニー音楽が好きでたまらない人は、ぜひコレクションしてみてはいかがでしょう?


ところで吹き替えといえば、『ヘラクレス』の吹き替えは最低の低でしたね。ジャニーズだの何だの起用して話題性を狙ったんでしょうが、実力の無さが明確に分かります。逆効果だと思いますけどね。工藤静香のメグがせめてもの救いですか。このCDも私の「愉快な外国語版ディズニーサントラ」コレクションの端を飾っています。




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